Sunday 17 May 2015

Hakone Ekiden Journey vol.09/ 箱根駅伝お遍路 その9、復路単独スタート。芦ノ湖から箱根湯本へ。

 往路が終わって一区切りをつけたつもりでいましたが、どうもそれでは落ちづかず、また、箱根山の火山活動をめぐる報道が続いていることから、走るなら早いうちにという思いに駆られ、復路スタートのため芦ノ湖へ向かいました。

 国道1号線の歩道なきコースを最小限のリスクに止めるための方策として、極力朝早くスタートすることにしました。理想的には前日芦ノ湖に宿泊してスタートすることですが、それは諸事情が許さず、結局、朝の新幹線で小田原に向かいました。

 一便だと7:01に小田原着、2便だと7:08に小田原着、小田原からのバスは7:05, 7:20発なので、どうぜ7:05には間に合わないだろうとの読みで2便の6:40発を選びました。


ただ、結果的には新幹線を降りてからすこしだけ走れば、7:05のバスには間に合った可能性が高く、そうであれば朝一番目の新幹線でもよかったかなと反省しつつ、小田原駅でトイレによる時間、コンビニに寄る時間が取れたのでよかったとも思っています。




 小田原からは箱根登山バス。こんな早い時間ですがそれなりにお客さんはいるものでした。どうやら芦ノ湯あたりでウォーキングイベントがあるらしく、ご高齢の集団が同乗されていました。

 さて、芦ノ湖に到着したのが8時15分ごろ。少し曇り、美しい富士山が芦ノ湖の向こうに顔を覗かせていて、2隻の遊覧船が港に停泊中です。前回、疲労のあまりうまく撮れなかった(撮る気力も減退していた)芦ノ湖周辺での記念撮影を何枚か。




Starting point of Hakone Ekiden Day2 (return journey)

スタート地点の石碑は反対側から見ると復路スタートと彫り込まれています。




Departed Ashinoko early in the morning to avoid traffic jam on route #1.


 スタートを待つ選手たちの気持ちを思い描きながら、私もゆっくりとスタートしました。大手町から走り始めて芦ノ湖まで走ってきたこれまでとは反対方向に進むことで、改めて言葉にするほどでもないのかもしれませんが、景色が変わりました。

 何が変わったかといえば、正月の箱根駅伝で5区を走る選手たちを映していた映像と、6区を走っている自分の視界が重なっているのです。駅伝中継のカメラは後ろ向きにカメラを構えて選手たちの走りを捉えているので、走っている選手の目線とは真逆を向いているのだということに、ここにきて気づいた訳です。

 ごく当たり前のことなのですが、選手の目線に立てるのは、実際に走ったものだけだというご褒美をいただいたような気持ちで心も足取りも軽くなりました。


Large Torii of Hakone Shrine

 芦ノ湖畔を進み、箱根関所跡を左に見て、箱根神社の大鳥居をくぐると、国道1号線は右折し、ここから芦ノ湯までは厳しい登りが続きます。残念ながら前回の往路では走っては歩きの繰り返しで途中ずいぶん歩いてしまいましたので、今回は絶対に歩かない、芦ノ湯までは足を止めない、という目標を掲げ坂を登りました。

 これが、かなりきつい。。。。きびしい坂は、一歩で靴一足分くらいしか前に進めません。休みたいという衝動にはかられましたが、辛抱して走り続けていると、急な坂から緩やかな坂になったときに「楽に」感じられることに気づきました。これに気づいてからは、「あ、あの先に行けば坂が緩やかになっているぞ」ということで頑張れるようになったのです。
Historical heritage of Shojin-Pond



 果たして、5kmをこえたあたりでようやく国道1号線最高点に到達しました。しかしながら、このすぐ先にさらにもう一山あるので、その山を越えるまでを登りと考えて、もうすこしだけ走り続けました。そこで1回目の休憩。18kmのうちの5kmを終え、しかも残りはすべて下りという状況は気分的にとても軽く感じます。

Highest point on route #1, 874m above sea level

Another one more bump over there.

The first break point. Only down slope was left from here.


 ここからは、下りなのですが、所によっては歩道がなくなってしまいます。正確に言えば所によっては歩道が整備されていて安全に走ることができる、といったほうが良いかもしれません。とにかく安全を第一に、無理なく、恙無くを心がけて降りることにしました。

very very narrow, almost no side walkway

 啓明学園
 必ずといっていいほど箱根駅伝では「啓明学園前通過」を放送で耳にしますが、芦ノ湖から小涌谷の間には目立った施設がなく、唯一めぼしい施設がこの啓明学園という児童擁護施設なので、紹介されるのだということが走ってみると分かります。

Keimei gakuen elementary school


 箱根ホテル小涌園
 芦ノ湖を出てから最初の大きな集落がこの箱根ホテル小涌園を中心とした施設群です。ここのT字路を道なりに右へ進むのが箱根湯本への道のりですが、左に向かう道は大涌谷へのルートで、箱根山の警戒警報のため通行止めになっていました。
Hakone Hotel Kowakien


 小涌谷のセブンイレブン
 国道1号線から強羅に抜ける三叉路のところにセブンイレブンがあります。ここともうちょっとだけ小涌園に近いところのファミリーマートの二軒が芦ノ湖畔までで最後のコンビニになります。登りのときに立ち寄った際に景色も綺麗で店員さんも親切であった印象が残っていたので、下りでもここに立ち寄りました。
Seven Eleven, near Goura Station


 小涌谷温泉
 小涌園を超えてからしばらくたったような気がしますが、小涌谷温泉の看板がたっているのはこの辺り。地図で見直してみるとユネッサンや箱根ホテル小涌園の周りをぐるりと回りこむように道路が囲んでいて、下に降りていたのでした。ここを越えると道中で唯一の踏切です。都会の踏切はイライラが募りますが、ここの踏切は遮断機が下りてくれたことがむしろワクワクで、電車に遭遇できたことが嬉しかったりしました。
Hakone Tozan Train

 宮ノ下
 小涌谷との境目は曖昧で、集落が続いているようにも感じられますが、すぐに宮ノ下の集落に出ます。山の中には不似合いなほど立派な富士屋ホテル(写真取り忘れ)の建物は歴史と風格を感じる古式ゆかしい佇まいでした。



 大平台
 宮ノ下から大平台もさほど距離はなかった印象です。芦ノ湖から数えて12−3kmといったところだったと記憶していますが定かではありません。国道1号線沿いに箱根登山鉄道の大平台駅の建屋があり、改札もないので中を覗いてみました。


Ohiradai Station

Switch back station. It looks like a terminal station.


 たしかに駅であることは分かります。途中駅ですがスイッチバックになっていますので、線路の形からは終点のように見えます。箱根湯本までの道のりで最後の集落でしょうか。ここを過ぎるとひたすらつづら折りの道を下ることになります。

 この区間が最も車通りが多く、また歩道が狭い(ない)区間になります。少なくとも下り車道の脇には人が歩けるスペースはありません。どちらが安全かを考えた結果、この区間は登り脇のスペースを下りて行きました。途中で駅伝中継の時に各大学の選手を待ち構えて撮影していたと思われるヘアピンカーブを見つけたのでここでも一枚。



 もう、だいぶ歩道なき道を下りてきたなぁという印象を受けた、金乃竹の看板。この金乃竹という宿へ渡る橋のあたりからは下り車道の脇で進んでいけたように記憶しています。



 塔ノ沢の看板を超えてくると標高が下がってきたなぁとなんとなく実感できるようになり、いよいよ函嶺洞門が私を出迎えてくれました。函嶺とは箱根山の別名。いまは立派な側道が完成し、一般人はもちろん選手たちも通ることはありませんが、なにか箱根駅伝の歴史に思いを馳せたくなります。横から眺めるとまた違った趣があります。
Kanrei Toumon

Kanrei Toumon


 函嶺洞門の先は、箱根湯本界隈に訪れた観光客で賑わい、歩道を飛ばして走るのは危険なため、スピードを落として走ります。すぐに箱根湯本駅に到着しました。ちょうど18km。本当の中継所はあと数キロ進んだかごせいの駐車場ですが、次回、走るときのアクセスを考えて今日はここで終わりにします。

 最初の登りは苦しかったのですが、その苦しさを忘れてしまうほど爽快な走り心地で、まだあと10kmくらいは走れそうな勢いでした。休憩は2カ所で取りましたが、途中で歩かないという目標は達成できましたので何よりです。

The final destination, Hakone Yumoto Station.

 

 

Wednesday 6 May 2015

Hakone Ekiden Journey vol.08/ 箱根駅伝お遍路 その8、いよいよ往路5区完走。芦ノ湖へ。

 いよいよ、本日は箱根駅伝5区を走る当日です。もちろんスタートは小田原駅ですので、小田原まで最短で行けるように7:04発のこだまに乗り込み小田原を目指します。
Kodama Express departed 7:04 from Shinagawa 


Today's Start point, Odawara Station

そして、小田原駅に降り立つと思いの外日差しも強く、そして思いの外足が重いです。そういえば、前回茅ケ崎からスタートした時も最初は足取りが重かったのでした。きっと走っているうちに足も軽くなると信じてポツポツと走り始めました。ゆっくりと。


まずは駅前から小田原城周辺を走ります。

The bridge to Odawara Castle

Odawara Chukeijyo (The 4th relay point of Ekiden)

メガネスーパー本社前が小田原中継所と思われます。

85km from Nihonbashi = I have run 85km so far.

気がつけば日本橋から85kmに到達です。


後ろに写っているのが蒲鉾で有名なかごせいの旧小田原中継所。

Entering Hakone Town from here.

Hakone Yumoto Station.

 箱根湯本駅に到着しました。予定ではここまでの距離は5km、それもなだらかな勾配で足慣らし程度のはずでしたが、6kmを終えて、足もそれなりに疲れました。

Hakone Yumoto Station

The first break point at 7km

一回目のコンビニ休憩はここのセブンイレブンで。中継所からだと6km弱、小田原駅からだとほぼ7kmのところ。下調べの結果、この先コンビニの数は限られていて、大平台、宮ノ下、小涌谷まででコンビニは終わり。そのあとは商店すら途絶えてしまうことがわかっていますので、計画的に休憩をとらないといけません。




Kanrei doumon, historical heritage of the Route 1

 有名な函嶺洞門は通行止になっていて、その右手のバイパスを走ります。
Narrow road has very narrow sidewalk. quite dangerous to run.
  塔ノ沢。このあたりから極端に歩道が狭くなります。狭くなるというよりも、白線の外側にはほとんどスペースが残されていない状態です。延々、このような状態の路側を走りますが、視線を下に落とすと横を走る車が恐怖に感じられるため、なるべくドライバーと視線が合うように対向する車のドライバーを見据えながら会釈を繰り返して走りました。


Short Break at Ohiradai
大平台で二回目の休憩です。ここはコンビニではなく山崎パンの普通の商店でした。こういうところでも補給しておかないとという危機感がありましたが、結論から言えばこの先にはまだコンビニがありました。


Miyanoshita Onsen(SPA)

The 3rd break at LAWSON.

宮ノ下温泉にあるローソンで再び休憩。補給のお水、梅干し、冷凍アクエリアスなどを購入しました。


宮ノ下からさらにのぼると再び歩道はなくなり、この程度の幅の路側を走ることになります。幸いなのは上に登れば登るほど通行する車の量が少しずつ減ってくれることですが、それでもバスやトラックが傍を通行する時は恐怖です。




The final stop at SEVEN-ELEVEN
  小涌谷を前にして最後のコンビニと思って入ったセブンイレブン。実際にはこの数百メートル先の進行方向左側にもう一軒ファミリーマートがありましたが、ほぼこれが最後のコンビニです。すこしお腹にものを入れました。ここまでの走行キロは約15km

Hakone Yunessan (SPA)

箱根小涌園、ユネッサン。ここからはひたすら坂道を走り、歩き、歩いては走りを繰り返しました。啓明学園という学校の脇を通り、九十九折の道を進むと、パッと視界が開けるところにたどり着きます。目の前に下り坂が見えるので、ここが最高地点かと錯覚するのですが、実際にはフラワーセンターという施設を左に見てさらに前進したところが最高地点になります。すぐそばに曽我兄弟の墓という施設がみえました。

Highest point of The Route 1 road.874 meter above sea level.

 最高地点を超える喜びはひとしおで、残りは下るのみと思うだけで心がワクワクします。まるで、ここまで頑張って登ったことのご褒美のように思えてきます。実際には、疲れがたまった足で急な下りを降りるのはなかなかきついのですが、それでも足取りは軽く感じられました。ここでだいたい走行開始から20km


芦ノ湖が目の前に見えてきました。もうゴールまではすぐなんだと思ったのですが、実はここから予想していたよりももう少し走ることになりました。


この鳥居の先の右手に恩賜箱根公園がみえますが、ゴールはさらにこの先です。

The last corner to turn right

いよいよ最後の角が目の前に、、


そしてゴール!記念撮影! 実際の写真を見てびっくりしましたが、あまりに疲れてしまったせいか、写真をお願いした時にお腹を引き締めるのを忘れていました。でろーんと見苦しいお腹ですみません。



 駅伝選手の像とともに一枚撮りましたが、こんなに苦しそうな選手の細い足をつかんだら転んでしまいますね。。

 途中、かなり歩いた部分はありますが、それでもなんとか大手町から芦ノ湖まで到達することができ、目標は口に出して言ってみるもんだなぁとつくづく思います。それにしても、箱根駅伝を走っている大学生選手の皆さんはもちろん、その箱根を目指して日々精進されている選手の皆さんには本当に頭が下がる思いです。あの二日間のためにどれだけの努力をされているのかということを改めて考えさせられました。尊敬の一言です。


 なお、走った5月6日、つまり私が走っている最中に噴火の可能性について気象庁から火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が発令されました。私自身は走りながら、町内放送で「大涌谷方面への入場規制」を耳にして、火山警戒警報かな?と気づいた次第でした。

 復路については、道幅の狭いところを走る危険性、噴火のリスクとも相談しながら安全に走ることが可能であると判断した段階でスタートしたいなと、でも出来ることならば復路まで完走したいなと思っています。