箱根駅伝総括 雑感を徒然なるままに、、、
過去のブログを改めて辿ってみるとちょうど
一年前の年の瀬の夜に思い立って走り出したわけですが、走る前には予想していなかった問題点も多々ありました。
まず、私はマラソンブームに乗せられて走り始めた走歴の浅い、体重の重い、とても足の遅いランナーです。ですから一区間20km強の距離を走るのはそれなりに大変なのです。それでも一年間走り続けているうちに、あるいはこの企画をきっちり走るために普段からコツコツはしるようになり、一区間くらいなら一人練習でもさほど苦にならず走れるようになったのは、この挑戦の思いがけぬ収穫でした。
片道にしておよそ108kmですから、行程が進めば進むほど、その日のスタート地点もゴールも都内の自宅からは遠くなります。
初回の大手町も、
二回目の品川も自宅からは近いので良かったのですが、すでに
その3で鶴見中継所から横浜駅まで走ったあたりで、移動の負担を実感し始めました。まあ、当たり前といえば当たり前ですが、せっかくの自由になる時間が移動によって消費されるのは勿体ないと感じられました(そもそも時間を勿体ないと感じる人間が行う試みではありませんが)。ですので、途中からは出発地点へも、到着地点からも電車移動の利便性を考慮しなるべく大きな駅をゴールに設定するようにしました。
また、駅伝中継で見た通りのコースを走ることが困難になるケースが、わりとすぐに登場します。選手達は基本的に自動車道を走りますので地図に書かれた一本線をなぞるように走りますが、一般人はそれが出来ません。スタートして間もなくの札の辻では歩道橋を渡りますし、2区では少し離れた横断歩道を渡ることも度々でした。最も危険だったのは、2区のゴールである戸塚中継所を目指すうちに、自動車専用道に入り込んでしまい、行くも帰るも地獄の状況がありました。安全のため、無理せず、時にはコース通りではなくとも迂回をすることも大事です。
戸塚駅や
茅ヶ崎駅などへの移動は時間もかかり面倒でしたが、ふるきよき時代を偲ばせる大磯周辺、サーファーの町である茅ヶ崎、湘南の海岸線は最も心地よい区間の一つでもありました。4区のゴールである小田原まで行ってしまえば、小田原から新幹線に乗ることで逆に時間が節約できました。(その分運賃はかさみましたが)。
また、小田原、箱根湯本、芦ノ湖ではゴール付近での銭湯や温泉といった走る楽しさプラスアルファのご褒美がさらにやる気を引き出してくれました。
次の挑戦をするかどうかはわかりませんが、次に挑戦することがあれば、箱根湯本をゴールにしてそのまま温泉宿に宿泊したいです。ゴールが温泉宿であれば、大いに気持ちも高まりますし、走ったあとの温泉は最高でしょう。ちなみに箱根湯本には、多くの素晴らしい宿泊施設はもちろんのこと、宿泊をしなくても、温泉が利用できる施設、温泉とお食事で休憩ができる施設がたくさんありました。私が立ち寄ったのもその中の一軒でしたが、最高でした。
往路のゴールである芦ノ湖到着が最も嬉しかったことはいうまでもありませんが、
5区を走るのは本当に大変でした。天下の嶮である箱根ですから坂が大変なのは間違いありませんが、さらに問題なのは、そもそも箱根湯本から小涌谷あたりまでの道路は人が歩いて登るようには造られていないのです。ですから本当に申し訳程度の路肩を、幅で言えば50cmもないでしょうが、静かに黙々と走らざるを得ないのです。その50cmすらも山側の崖が迫っていて確保できないことも多く、ここの坂道を走るのは本当に辛く、また大型バスが傍を通過するのは恐怖でした。箱根駅伝5区を走ってみようとお考えの方に私から進言させていただけることがあるとすれば、
1、車の少ない早朝に箱根湯本を出る。
2、全身、白か蛍光色を身にまとう。
3、暗くなったら走らない。
でしょうか。箱根路の交通量を侮ってはいけません。
往路を終えて、時間が経つと復路を走ろうという意欲が薄れてしまうかもしれないと危惧したため、私はすぐに
復路に取りかかりました。往路で学んだ通り、朝一番で東京を出発し、ご褒美のためこの日のゴールは小田原ではなく箱根湯本にして。
気がつけば、年末から始めていたのにすでに暑い季節を迎えていました。正直、6、7、8、9月にハーフマラソンを走るのは苦痛です。できれば涼しい時期限定で走れれば良かったなぁと思ったものでした。実は、7区を走っていた時にあまりの暑さのせいだとは思いますが、ふらふらっと転んでしまいました。油断は禁物だなぁと思った次第です。
私の場合、暑い中を走ることになったため、また根性もさほどありませんので、6区を2分割で、7区も2分割、8区も2分割で走りました。無理すれば走ることもできたのでしょうが、あくまでも趣味であり、アスリートではないのでこれで倒れてしまっては元も子もなしと割り切りました。正直申し上げますと、往路に比べるとすでに一度見た道なので、やや感動が薄れると申しましょうか、、、特に市街地の道路はその傾向が強いです。残念ながら。
最後の
9区、
10区は区間を丸ごと走りました。ここは途中でやめてもご褒美になるような温泉もないですし、すでに年末になっていましたので達成感を考えれば区間完走をためらる理由はありません。
こうして、全10区を完走してみると、もともと何もなくても魅入ってしまう箱根駅伝のテレビ中継が、昨年までにも増して楽しめるようになっていることに気づきます。あの時に走ったあの坂、あの景色の中をトップレベルの選手たちが疾走している姿を目の前の画面に投影されるのはまさに感無量です。
今回の一連の挑戦は随時ブログやFacebookで報告させていただいておりました。皆様からの温かい応援のお言葉を頂戴し、大いに励みになると同時に、「これは途中で投げ出せないぞ」という良い刺激になりました。この場をお借りして厚く御礼申し上げます。誰かに見てもらえているという緊張感、誰かに報告できるという喜びが次の一歩に繋がっていたように思います。
箱根駅伝お遍路、実にくだらない企画と思われるかもしれませんが、箱根駅伝がお好きで、かつ、ご自身で走ることがお好きで、かつ、お時間に余裕がある御貴兄には、時間を割く価値のあるプランとしてお勧めいたします。老婆心ながら、くれぐれも安全第一で。